「美は論理で記述できるか?」
これは日本のCG黎明期に大きな功績を残し、私の恩師でもあった研究者である故・大平智弘が生前、私に与えたテーマである。近年、人工知能の発達は目覚ましいものがあるが、人間が美を見出す行為そのものを自動化するにはまだ乗り越えるべき課題も多く、アーティストがなすべき仕事はこの先も当分消えることはないだろう。コンピュータを使った造形であっても、まず向き合うのは我々自身である。そのことを私は恩師から学んで研究・制作に取り組んでいる。
1976年生まれ
武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業
九州芸術工科大学大学院博士前期課程修了
九州大学大学院芸術工学府博士後期課程修了
博士(芸術工学)の学位取得後、文化庁新進芸術家海外留学制度研修員、およびポーラ美術振興財団の助成によりテキサス大学ダラス校アート&テクノロジー学科に客員研究員として在籍。帰国後、九州大学学術研究員を経て、九州産業大学芸術学部デザイン学科に講師として在籍。
2014年度より武蔵野美術大学デザイン情報学科専任講師に着任し、2016年度より同学科准教授として現職。
CGを専門分野としているが、特に数式やプログラミングの組み合わせによる作品制作を特徴としており、その成果はCG分野における世界最高峰の学会であるSIGGRAPHや、メディア芸術分野における欧州最大の大会Ars Electronicaに入選を果たした他、国内外の受賞・入選歴が多数ある。技術面でも評価を受けており、独自開発によるメタボールの描画アルゴリズムは日米で特許を取得している。